沖縄戦80年を考える特別上映会、映画『骨を掘る男』
2025年、沖縄戦からちょうど80年を迎えることを記念して、東京外国語大学(TUFS)にて特別な映画上映会が行われます。上映作品は、沖縄戦の戦没者の遺骨の収集に40年以上にわたり尽力してきた具志堅隆松氏の活動を追ったドキュメンタリー映画『骨を掘る男』です。この上映会では、映画の本編に加え、監督の奥間勝也氏によるトークセッションも設けられ、観客との交流の場が用意されています。
イベント詳細
- - 日時: 2025年5月30日(金)18:00開映(17:20開場、20:40終了予定)
- - 会場: 東京外国語大学 アゴラ・グローバル プロメテウス・ホール(東京都府中市朝日町3-11-1)
- - プログラム:
- 映画『骨を掘る男』本編上映(115分)
- 上映後に奥間勝也監督による解説・トーク
- - 料金: 入場無料(先着501名、事前登録制)
- - 【登録リンク】: こちらから登録
映画『骨を掘る男』について
本作は、沖縄戦の戦没者の遺骨収集に情熱を注いできた具志堅隆松さんの活動に焦点を当てています。映画では、地中から拾い集められた様々な遺品を通じて、その人たちの存在や最期に思いを馳せる様子が描かれています。具体的には、砕けた小さな骨や茶碗の破片、手榴弾の破片、さらには火炎放射の跡などがあり、具志堅氏はこの行為を「行動的慰霊」と表現しています。監督の奥間勝也氏は、彼自身の大叔母の存在を追い求める中で、沖縄戦の壮絶な歴史とその後の影響を描写します。
沖縄の南部は激戦地として知られ、住民や旧日本軍兵士、さらには米軍兵士、朝鮮半島や台湾出身者などの遺骨が今も眠っているといわれています。しかし、今日ではその土地が米軍新基地建設のための埋立資材の採掘場にされようとしており、多くの人々が抗議の声を上げています。映画はこうした背景を踏まえて、亡くなった方々への追悼とは何かを考える機会を提供します。特に、「出逢ったことのない人の死を悼むことができるのか?」という問いは、観客に思索を促し、深い共感を呼び起こすことでしょう。
トークセッションと写真展
上映会後には、奥間勝也監督によるトークセッションが行われる予定です。このセッションでは、映画にまつわる裏話や、沖縄の歴史への思いを直接聞くことができます。また、同日には「土砂と遺骨をつなぐ」というテーマの写真展も開催される予定で、展示場所は上映会場の入り口付近です。こちらは予約不要で、無料で観覧できるため、映画と合わせての参加がオススメです。
最後に
沖縄戦という歴史的な出来事から80年、今もなお残る痛みと向き合い、遺族が抱く思いを分かち合うことは非常に重要です。この上映会を通じて、多くの人々が沖縄の歴史を学び、一緒に考える機会を得ることができればと思います。ぜひ、参加してみてください。