2024年度日本の動画配信市場、成長鈍化もU-NEXTが大きく躍進
2024年、日本の定額制動画配信(SVOD)サービスの市場は推計で5,262億円となり、前年との比較で4.1%の成長を記録しました。これにより、コロナ禍の影響を受けて続いていた高い成長率は鈍化し、初めて前年に比べて10%未満の増加となりました。今回のデータはエンタテイメント業界向けのデジタルマーケティングサービスを手掛けるGEM Partnersが発表したもので、今後2029年までの市場規模を様々なシナリオで予測しています。
市場の動向と主なサービスのシェア
定額制動画配信市場は、2019年から急成長しており、2020年には3,222億円という記録を達成しました。その後も前年比プラスを維持し、22年には4,508億円、23年には5,054億円と順調に成長を続けてきました。しかし2024年には成長の鈍化が見られる結果となり、業界全体の活性が求められます。
最もシェアを持つサービスは「Netflix」で、そのシェアは21.5%と安定していますが、前年比では0.4ポイントの減少が見られます。Netflixは6年連続で首位を維持していますが、近年は競争が厳しくなっています。
U-NEXTの躍進
一方、「U-NEXT」は17.9%のシェアを獲得し、前年比で2.7ポイントの増加を記録しました。これは、22年に「Prime Video」を抜いて2位に浮上した後、23年の7月に「Paravi」とのサービス統合によりさらなるシェア拡大を果たした結果とも言えます。市場全体の成長が停滞する中で、U-NEXTは唯一1.0ポイント以上の成長を達成したサービスとなりました。
調査対象となった13の動画配信サービスの中で、シェアを増やしたのはU-NEXT、FOD、DMM TV、ABEMAプレミアム、Prime Videoの5サービスでした。
今後の市場予測
今回のレポートには定額制動画配信だけでなく、レンタル型動画配信(TVOD)と動画販売(EST)についても市場規模やシェアの推移が詳しく記載されています。これに基づき、2024年における動画配信市場全体の規模や、2029年までの見通しが「ベース」「楽観」「悲観」のシナリオによって示されています。
このように、競争が激化する市場において、企業は独自の戦略を進めていく必要があります。これからの動画配信市場の躍進と新たなサービスの誕生に期待がかかります。
レポート情報
GEM Partnersが発行した「動画配信(VOD)市場5年間予測(2025-2029年)レポート」は、2024年2月25日に発行され、詳細な市場予測やサービス別のシェア、推計手法がまとめられています。購入はオンラインでのダウンロードが可能で、日本語版は33万円、英語版とのセットは55万円(税込)で提供されています。
詳細はGEM Partnersの公式サイトをご覧ください。エンタテイメント業界の今後に注目が集まる中、動画配信市場はますます重要な役割を果たすことでしょう。