子どもたちの創造力を引き出す遊具「SAPIENCE」がキッズデザイン賞を受賞
福井県敦賀市に本社を構える株式会社ジャクエツと、東京大学名誉教授でアフォーダンス研究者の佐々木正人氏が率いる研究チームが開発した総合遊具「SAPIENCE」が、特定非営利活動法人キッズデザイン協議会主催の「第19回キッズデザイン賞」を受賞しました。この賞は、子どもの未来をより良くする製品やサービスを顕彰するもので、特に「子どもが安全に、安心して遊ぶことができる環境づくり」に貢献するものとされています。
SAPIENCEの特長
「SAPIENCE」は独自のデザインを持つ遊具です。踊り場が存在せず、固定された遊び方が決められていないため、異年齢の子どもたちが一緒に自由に遊ぶことができます。この遊具は、子どもたちの創造性を引き出し、自発的なコミュニケーションを促進します。アフォーダンスの観点から観察・分析することで、遊具がどのように子どもたちの成長を助けるのか、新たな遊びの環境デザインの重要性が浮き彫りになりました。
研究調査の背景
ジャクエツは2016年から生態心理学の専門家チームと共に、子どもたちがどのように遊びつきを見出すのかを研究してきました。これまでの研究から得た知見をもとに、2024年には「SAPIENCE」を用いて新たな調査が実施されました。子どもたちが即興的にどのような遊びを創造するのか、その多様性を観察することが目的でした。
調査では、遊具はまるで“21世紀の樹木”のような螺旋構造と揺れるネットを備えています。この中で、子どもたちが思いもよらない新たな遊びを創造する様子が多数目撃されました。既存の遊具ではほとんど見られない創造的な行動が確認され、これが子どもの成長を支える新たな環境デザインの可能性に繋がることが示唆されました。
課題へのアプローチ
研究チームは、「SAPIENCE」における子どもたちの行動の多様性をアフォーダンスの観点から詳細に分析しました。特に、遊びの場面における即興性や創発性を捉えることを重視し、カメラを使用した定点映像観察を行いました。
ユーザーの反応
設置園では、子どもたちが友達と共に自由に遊びを創り出す姿が多く観察されています。観察記録や映像による分析が行われ、彼らの身体運動、社会的相互作用、創造性が大いに引き出される様子が確認されました。この結果は、今後の園庭設計や遊具デザインにおいて、さらなる発展が期待できることを示しています。
キッズデザイン賞について
キッズデザイン賞は、子どもたちが安全で安心して生活できる環境づくりを目的としており、子育てにかかわる様々な社会問題の解決を目指します。協議会に参加する企業や団体は、多様な事業分野から集まり、子どもたちの成長を支えるための取り組みを進めています。
株式会社ジャクエツの使命
ジャクエツは1916年の創業以来、地域社会の課題解決へ向けたサービスを提供。スローガン「未来は、あそびの中に」に基づき、子どもが安心して遊び、成長する環境をデザインすることに力を入れています。近年は、Park-PFI事業への参入など、まちづくりにも積極的に関与しています。
このように、SAPIENCEは単に遊びの道具ではなく、子どもたちの未来を築く重要な要素となることが期待されています。今後のさらなる展開が楽しみです。