Nao’ymtの25周年を記念する充実したプロジェクトから、新たな楽曲『檻』が6月1日に配信されました。この楽曲は、彼の過去の名曲『孤島』を想起させる内容となっており、雨に包まれた閉ざされた世界を描き出しています。しかし、その表現は大きく異なり、双方の楽曲で伝わる感情は複雑です。
『檻』は、雨によって隔てられた場所を舞台にし、そこで感じる孤独感と諦めをテーマにしています。『孤島』が外の世界からの保護を象徴していたのに対し、『檻』はその逆。雨音を背景に、確実に不安が漂い、孤立した人々の内面を探るかのような内容となっているのです。「ぼくらは雨が止むまでここにいるから、気にせず先に行ってくれ」とのフレーズには、立ち止まることで生じる不安と、少しでもここに留まりたいという心情が明瞭に表現されています。
また、Nao’ymtは本作において作詞、作曲、プロデュース、歌唱と制作の全過程を手がけ、その音楽性の深さを再確認させてくれます。マスタリングには、世界的なアーティストの作品も手掛けるDave Kutchが関与し、楽曲に繊細な音質を与えています。
このプロジェクト『矢的直明2025』は、2025年の1月から12月まで毎月1曲新曲をリリースするという長期的な取り組みです。『檻』はその6作目であり、人生についての問いを元に、Nao’ymtの内面と時代背景との対話を静かに、確実に響かせています。
Nao’ymtは東京都千代田区出身で、作詞や作曲、プロデュース活動を通じて多くのアーティストに影響を与えてきました。特に、彼が関わった代表的な作品には三浦大知の『球体』や安室奈美恵への楽曲提供があり、これらの作品は音楽シーンにおいて高く評価されています。自身のアーティスト活動も活発に行い、ジャンルを超えた表現を追求し続けています。
2025年には大阪・関西万博の公式ショーや、注目のゲーム『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』への楽曲提供なども見込まれており、今後ますます目が離せなくなりそうです。Nao’ymtの新曲『檻』は、彼の独自の音楽的表現と感情を詩的に示した作品として、多くのリスナーに響くことでしょう。