映画『九月と七月の姉妹』がカンヌ国際映画祭に登場
2024年に開催される第77回カンヌ国際映画祭において、映画『九月と七月の姉妹』(原題:September Says)が「ある視点」部門に正式出品されることが発表されました。この作品は、2025年9月5日から全国各地で公開される予定です。公開に先立ち、本作の本ポスタービジュアルおよび姉妹の不気味な関係を映し出すシーン写真が解禁され、注目を集めています。
不穏な姉妹の関係を描く
物語は、10か月の年の差を持つ姉妹、セプテンバーとジュライの複雑な絆をテーマにしています。二人は幼いころから常に一心同体のように寄り添い合い、強い結びつきを持っているものの、学校でのいじめを契機に彼女たちの関係は影を落とすことになります。セプテンバーは強気で、妹ジュライは内気ですが、彼女たちの間には深い依存関係が存在しています。
物語の舞台であるオックスフォードから、「セトルハウス」と呼ばれる一族の放置された家に引っ越すことになってから、ジュライはセプテンバーとの関係が奇妙な形で変わりつつあることに気付き始めます。セプテンバーが発する言葉は、当初は単なる遊びに過ぎなかった命令であるにも関わらず、事態は徐々に緊迫したものへと発展していきます。家の中の閉ざされた環境において、二人の関係の歪みはさらに深まっていくことになります。
監督のアリアン・ラベドの意図
アリアン・ラベド監督は、この映画を通じて「世界と向き合いながら変わっていく10代の少女たちの変容」を描こうとしていると語っています。観客には、それぞれのキャラクターが抱える内面的な論理を理解し、物語の変化を感じ取ってほしいと述べています。物語の舞台は、高校や家庭から、自然、そして静かな海の方へとシフトしていくことに触れ、物理的な距離を越える心理的な緊張を探る姿勢を示しています。
ラベド監督は、映画で語られることの少ないテーマ、例えば生理用ナプキンやトイレ掃除、生きているかどうかを疑う瞬間など、日常の一部であるがあまり目にされないことにも焦点を当てる意図を持っています。
キャストとスタッフ
本作でセプテンバーとジュライを演じるのは、カンヌで高く評価された若手女優、パスカル・カンとミア・サリアです。また、映画のサウンドデザインにはアカデミー賞音響賞を受賞したジョニー・バーンが携わっており、物語の緊迫した雰囲気を一層引き立てます。観客は、二人の複雑な関係性を通じて、「自己」の境界が曖昧になり、逃れられない悪夢へと変容していく様子を目の当たりにすることになるでしょう。
映画『九月と七月の姉妹』は、アリアン・ラベド監督が紡ぎ出す不思議な世界観で、観る者に緊張感と感情の揺れを提供することが期待されます。公式HPやSNSもチェックし、公開を楽しみにしていてください。
2025年9月5日、渋谷ホワイトシネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ等で全国公開予定です。公式情報は、
公式HPや
Instagramで随時公開していきます。