日本初上陸の中国商業演劇『ミックスサラダ』
2025年の夏、東京都江戸川区にある江戸川区総合文化センターで、舞台『ミックスサラダ』が上演されます。これは中国の若手劇作家・張慧(チャン・ホイ)による作品であり、中国の商業演劇として初めて本格的に日本に登場する試みです。公演日程は2025年7月2日水曜日から7月3日木曜日までの二日間。この機会に、中国の現代演劇の新しい風を感じてもらえることでしょう。
チケット情報
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作品の背景とテーマ
「ミックスサラダ」は、夫婦の関係や働く意味、そして情報社会における個人の在り方を描いた作品です。舞台は三つの短編から構成されており、全体を通して「現実と虚無が交錯する閉ざされた空間」をテーマにしています。初演が行われた2021年以降、中国国内で話題を呼び、SNSでの反響も大きく、劇場動員数も増えているそうです。2024年の記念版では、予定されている全16公演が完売し、累計1.7万人を動員しました。これにより、多くの観客に「心に残る舞台」として印象付けられているようです。
本作は、社会が直面している様々な問題に対して、観客に考えさせる力を持っています。観客は登場人物たちの葛藤を通じて、自分自身の価値観について考え、共感を覚えることができるでしょう。
各短編の内容
「ミックスサラダ」は、以下の三つの短編で構成されています。
『滸墅関(フーシューグァン)』
この作品では、コロナの影響で長く離れていた元夫婦が数日間再び同居する姿が描かれます。彼らの間には、言葉にできない感情や過去の思いが横たわり、それが少しずつ表に出てくる様子が緻密に描かれます。
『アーチー』
若者アーチーが主役のこの短編では、「働くなんて無理だ」という言葉が象徴するように、世代間の葛藤や自由の意味を問います。観客は彼の語りを通じて、時にユーモラスで、時には切ない感情に直面します。このストーリーは、実際に中国で話題となった人物が元になっており、共感を生む要素が多く含まれています。
『あるパントマイム劇』
この作品は、セリフが一切ないパントマイムで構成されています。登場人物は男一人と「機械」と呼ばれる存在だけ。男は観客に向けて他者を検索し、その視線が観客にも向けられます。この独特な構成は、観客自身が「対象」となることで、自己反省を促します。
出演者について
この舞台には、中国の人気俳優が多く出演します。馬卓君(マー・ジュオジュン)、張懿曼(チャン・イーマン)、蒋奇明(ジャン・チーミン)、伍藍瑩(ウー・ランイン)といった実力派俳優たちが集結し、それぞれの役どころを魅力的に演じます。特に蒋奇明は、過去に多くの話題作で演技をしており、幅広いジャンルで支持を集めています。
最後に
『ミックスサラダ』は、中国の現代演劇が持つ深いテーマ性や多様な表現方法を日本の観客に届けるための重要な試みです。劇場での体験を通じて、私たちが暮らす社会や価値観について新たな視点を得られることでしょう。ぜひ劇場でこの作品を観て、感じてみてください。