株式会社popxの『Digital Twin Simulator』世に登場
新進気鋭のエンタメ集団、株式会社popxがデジタルツインシミュレーター『Digital Twin Simulator』の実用化を発表しました。この技術はプロジェクターや照明、映像、さらにはVtuberのパフォーマンスなど、多岐にわたるエンターテインメント演出に活用できるプラットフォームです。
「Digital Twin Simulator」は、具体的にはプロジェクターやハード機器の選定、映像チャートの作成、およびリアルタイムでのプロジェクションシミュレーションを行うことが可能です。この結果、イベント全体をスムーズに設計・運営でき、来場者にとっての体験価値を大いに向上させることが期待されます。
デジタルツイン技術の利点
このシミュレーターは、イベント制作に伴う物理的な試行錯誤を最小限に抑え、資源と時間を有効活用できるため、コスト削減や運営リソースの最適化を実現します。実際には、ミシガン大学のMichael Grieves准教授によって2002年に提唱された「デジタルツイン」技術に基づき、現実世界の情報を取得し、それを仮想空間に再現するという方法論が採用されています。
機能と特性
popxが開発したこのシミュレーターには、次のような特徴があります:
- - Windows OS上で動作するアプリケーション形式
- - DMX/Artnetを利用して舞台照明や舞台機構を制御し、演出のシミュレーションが可能
- - あらかじめプログラムした演出を仮想空間で再現
- - 自由な視点操作とカメラのスイッチングが可能
- - 4K×2チャンネルの映像入出力に対応
- - 演出シーケンスの同期制御が実現
さらにハード面では、タイムコードや照明信号、映像および舞台機構の信号を受け取る「Digital Twin Server」を通じて、各種制御機材との連携が図られます。一方、ソフト面はUnityに統合され、強力なアプリケーションとして機能します。
popxの理念
popxは、「ULTRA POP EXPERIENCE」というコンセプトのもと、ストーリー、パフォーマンス、音楽、ビジュアルのすべてが調和する体験を追求しています。代表の渡辺大聖氏は、チームラボでの経験を活かし、新たなエンターテインメントの手法を提案しています。彼が手掛けた代表作品には、「第74回 NHK紅白歌合戦」や「アラフェス2020」などがあります。
同社のCEO、桑原聖氏も音楽制作の分野で多くの実績を持ち、2024年4月にpopxを設立。両者は、エンタメの品質とクオリティを最重視する姿勢でこの新たな技術を世に送り出しました。
未来への展望
渡辺代表のコメントにもあるように、『Digital Twin Simulator』はエンタテインメント制作の未来において欠かせないツールとなるでしょう。シンプルな操作で高品質なアウトプットを実現することで、瞬時にアイデアを共有し、創造的な対話を生み出す環境を整えていくことを目指しています。これにより、アーティストや制作チームは、より高いクリエイティブを発揮できるようになると考えられています。
この革新技術により、イベント制作の現場は大きく変わろうとしており、来場者の体験も新たな次元へと進化することでしょう。