KANAMEL株式会社と日本テレビの資本業務提携について
2023年、映像制作の新たなステージへの第一歩が踏み出されました。日本テレビホールディングス株式会社(以下「当社」)とKANAMEL株式会社(旧AOI TYO Holdings株式会社)は、資本業務提携を結ぶことを発表しました。この提携により、KANAMELは当社の持分法適用会社となり、提携の背景には双方の強みを活かしたコンテンツ制作体制の強化があります。
提携の背景と目的
日本テレビグループは、「コンテンツの価値最大化」を最優先の戦略に掲げています。この目標のもと、IP(知的財産)ビジネスの拡大、オリジナル作品の企画開発、さらには海外市場への展開を見据えたコンテンツ開発を進めています。今年2月には「海外ビジネス拡大戦略の基本方針」を発表し、外部との協業やM&Aを積極的に進める姿勢を示しました。
一方、KANAMELは、映画やドラマなどで国内外の賞を受賞した実績を持つ企業です。この会社のクリエイティブ制作力は非常に高く、広告映像や映画など多岐にわたる映像作品を生み出してきました。KANAMELが持つこのクリエイティブな強みと当社の資源を組み合わせることで、 「世界に通用するコンテンツ製作体制の構築」を加速させることが目指されています。
KANAMEL株式会社の概要
KANAMELは東京都品川区に本社を置き、売上高は704億円で、従業員数は1,786名を誇る企業です。グループには、映像制作領域のAOI Pro.やTYO、デジタルスタジオのTREE Digital Studioなど、計25社が所属しています。
KANAMELの強みは、広告映像の市場で国内シェアNo.1を持っており、数多くのクリエイティブアワードでの受賞歴を有しています。また、映画「怪物」や「万引き家族」など、高い評価を受けた映画作品も制作しています。コンサルティング事業としては、FMXとFMSというグループ会社があり、それぞれ戦略の立案から支援までを行っています。
提携に対する代表者のコメント
KANAMEL代表取締役グループCEOの中江康人氏は、この提携が「つくるチカラで世の中を明るくつくり変える」というパーパスの実現を加速する重要な施策であることを強調しました。また、日本テレビが持つ放送・IP展開の力とKANAMELのクリエイティブ力を結集し、協業を通じて新たなコンテンツ創出を進める意向を示しました。
日本テレビ代表取締役社長執行役員の福田博之氏は、KANAMELとの提携がグローバルな市場を見据えたコンテンツ制作の強化に寄与することを期待しています。その上で、新たなIPの創出を目指し、両社のノウハウを結集して企業価値の向上を図っていく考えを述べています。
まとめ
この資本業務提携は、日本テレビとKANAMELにとって、新しい製作体制の構築を加速させ、コンテンツの国際展開やIPビジネスの拡大のための大きな防波堤となることでしょう。両社が共同で新たなビジョンを持ち、未来の映像作品を創造する姿勢に注目が集まります。今後の展開にさらなる期待が高まります。