90年代ラブコメ映画4作品のBlu-ray化を祝うトークショーが開催
90年代の人気ラブコメディ映画4作品、『スキ!』『香港パラダイス』『山田ババアに花束を』『咬みつきたい』が初めてBlu-rayとDVDとしてリリースされました。この喜ばしいニュースを記念して、神保町シアターでは特集上映「東宝90年代ラブコメ★パラダイス」が行われており、その中でも特に注目を集めたのが9月30日に行われたトークショーです。主演の島崎和歌子さんと監督の渡邊孝好氏が登壇し、作品について思い出やエピソードを語りました。
トークの冒頭で、島崎さんは「35年前の私と再会できた奇跡に感謝」と語り、会場の観客を温かく迎えました。彼女は初めてのBlu-ray化に触れ、「VHSは大事な宝物だったけれど、今は再生できなくなってしまった。しかし、Blu-rayとして手元に残ることが嬉しい」と感慨深そうに述べました。
一方、渡邊監督も当時を振り返り、「昨年の特集上映で『スキ!』を再度観た際、そろそろソフト化しようという気持ちが高まりました。久しぶりに島崎さんに再会し、そうした条折があったのかもしれません」と話しました。
昔のオーディションエピソード
島崎さんによると、オーディションは大規模ではなく、制作会社の会議室で監督と面接を行ったとのこと。「当時17歳の私は全くの初心者で、何をどうすればいいのか分からなかった。監督に指示された通りに動いていました。でも、セリフ通りに話すなと言われて驚いた」と回想しました。これに対し、渡邊監督は「役のリアルを引き出したかったので、現場の雰囲気を大切にしていました」と述べました。
また、渋谷センター街での撮影について島崎さんは、「通行人の目を気にしながらのゲリラ撮影で大変でしたが、実際の街を舞台にしたことで臨場感が生まれた」と話しました。
印象的な撮影エピソード
印象的だったシーンの一つは、マンションの玄関での島崎さんの涙の演技でした。「涙が出なくて苦労しましたが、そのリアルさが映画に生きたと思います」と振り返る島崎さん。一方、渡邊監督も「リアリティを追求する中で、自然な表情を撮りたかったのです」と付け加えました。
彼女たちの話はスタジオの裏話など、観客を楽しませるものばかり。さらに、共演者である大江千里さんのエピソードにも触れ、彼は非常に良い人だったと語りました。「彼は忙しい中でも、私を支えてくれました」とのこと。
Blu-rayの魅力
Blu-ray&DVD化の見どころについて渡邊監督は、特に高校生から美大生へと成長する過程が丁寧に描かれている点を挙げ、「二年後の再会シーンでは、25歳の女性としての新たな一面が見えます」と強調しました。島崎さんも、「自宅で止めながらじっくり観られるのが嬉しい」とその魅力を語りました。
最後に、観客に向けたメッセージとして渡邊監督は「Blu-rayとDVDのリリースによって、作品をより多くの方に楽しんでいただけることが嬉しい」と語り、島崎さんも「35年の時を経て、再び作品と自分に出会えたことを感謝しています」と締めくくりました。
この貴重なトークショーを通して、90年代のラブコメ映画の魅力が再確認され、多くの方々が昔の思い出に再び浸ることができたことでしょう。『スキ!』やその他の作品がBlu-ray化されたことに興味がある方は、ぜひ手に取ってみていただきたいです。