伊藤詩織監督が贈る衝撃的ドキュメンタリー『Black Box Diaries』日本公開決定

映像ジャーナリスト伊藤詩織が描く真実の物語

この冬、特別なドキュメンタリー映画が日本のスクリーンに登場します。映像ジャーナリストである伊藤詩織氏が初めて手掛けた長編映画『Black Box Diaries』は、彼女が経験した衝撃的な性被害事件を背景に、その事件の“後日談”を描き出す作品です。10年の沈黙を破り、ついに公開日が発表されました。

本作は、伊藤氏が自身の目で見た真実を、カメラを通して記録した物語です。「ブラックボックス」として知られる沈黙の中にあった個々の体験から、社会の構造的な問題にも切り込んでいきます。彼女の鋭い視点は、観客にとって驚きと感動をもたらす内容となっています。

製作背景と国際的評価

『Black Box Diaries』は、伊藤詩織氏が過去の事件を乗り越え、どのように社会に向き合ったかを描いています。その製作には、社会派作品で名高いスターサンズが関与し、約8年の歳月を経て完成を迎えました。国際共同製作により、有名な映画祭で絶賛され、2024年1月にはサンダンス映画祭に出品されます。そこでの評価はもちろん、アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にもノミネートされるなど、国際的な舞台でも高い注目を浴びました。

公開日決定と新ビジュアル

映画の日本公開は2025年12月12日、T・ジョイPRINCE品川にて予定されています。この発表に伴い、映画のメインビジュアルが解禁されました。印象的な作品タイトルの隙間から、伊藤氏の葛藤する表情が伺えます。デザイン自体は白を基調としており、タイトルの「Black」とのコントラストを生かした仕上がりです。これは、物語が進むにつれて明らかになる真実を象徴しています。

誰にでも起こりうる現実

作品の主人公である伊藤氏は、25歳の時に衝撃的な被害を受けました。「同意のない性被害」を実名を公表して戦う姿は、多くの人に勇気を与えるでしょう。伊藤氏自身、事件後も続く社会の偏見や沈黙に対して一歩を踏み出しました。この映画は、その痛みと戦うことで希望に変えていく姿をリアルに描きます。「この世の理不尽な事情がもたらす苦しみは、あなたの親しい人にも起こり得ることです」と伊藤氏は語ります。

社会に向けたメッセージ

伊藤監督は、公開に寄せてコメントを発表しました。「私は事件直後、日本で直面した現実を記録しました。私の経験を通して、観客が自分自身の出来事として捉え、何を信じ行動するかを考えるきっかけになればと思います」。彼女の言葉からは、社会の沈黙を打ち破る力が必要であることが伝わってきます。観る者に感動を与え、社会のしがらみを少しでも変えていくことが期待されています。