文學界2025年10月号の特集内容
2025年9月5日に発売された文芸雑誌『文學界』2025年10月号は、多彩な内容が盛り込まれ、文学愛好者の心を掴む一冊となっています。号のメインとなる特集は、綿矢りさの最新刊『激しく煌めく短い命』であり、彼女の作品に対する深い洞察を提供しています。
綿矢りさの新刊特集
特集では、江南亜美子による綿矢りさのインタビューが収められています。彼女の新しい小説は「人間くさい百合小説」とされ、読者がその魅力を存分に感じられる内容となっています。また、書評として武内佳代と首藤凜による2本が掲載され、作品の緻密さと新たな愛の形を浮き彫りにしています。
町屋良平の新連載「無限水晶」
文學界は新連載として町屋良平の「無限水晶」を始めました。この作品は、ヒトラーを崇拝していた駐独日本大使・大島浩を題材にしており、町屋ならではの切り口で歴史小説を描いています。彼の作品は、感受性豊かな視点と鋭い洞察を読者に提供し、関心を引くこと間違いありません。
豪華対談も見逃せない
さらに今号の目を引くのは、川上未映子と頭木弘樹、國分功一郎とオードリーの若林正恭の2つの対談です。川上と頭木の対談「痛みの一回性を取り戻す」では、文学と言葉がどのように「痛み」に向き合うかを多角的に考察しています。この対談では3時間をかけて、文学の役割や実生活とのつながりが探求されています。
一方、國分と若林の対談「ネオリベの帳を越えて」では、現代社会における「快適さ」を生き抜くための勇気について掘り下げています。若林が郊外に引っ越してからの気づきや、ネオリベラリズムに対する批判的な視点も提供され、まさに時代を反映した対話です。
創作と批評の豊富なラインナップ
雑誌にはまた、筒井康隆の「蒲鉾と高下駄」や坂崎かおるの「へび」、三木三奈の「わずらい」といった創作作品も収められています。また、中村拓哉と山本浩貴による批評もあり、今号の内容は非常に充実しています。
この他にも、作者論やエッセイ、詩歌など多彩なコーナーが用意されており、あらゆるジャンルの作品が楽しめる一冊となっています。文學界の広がりを感じさせる内容です。特に多様な視点からの評論が気になる方には必読の号です。
書誌情報
- - 誌名: 『文學界』2025年10月号
- - 発売日: 2025年9月5日
- - 判型: A5判
- - 定価: 1,200円(税込)
文学の魅力が詰まった『文學界』2025年10月号。是非手に取ってみてください。