VOW WOW 40周年記念ライブ
2024年に再始動するレジェンドバンド、VOW WOWが2023年1月16日に開催した記念ライブ「The 40 Years of VOW WOW Ⅲ Celebration」の模様が、WOWOWで独占放送されることが決まりました。放送日は3月22日。今回は、そのライブの魅力を余すところなくお伝えします。
このライブは、1986年にリリースされたサードアルバム『Ⅲ』の40周年を祝うもので、バンドの歴史を振り返る重要なイベントとなりました。『Ⅲ』は、英国人プロデューサー、トニー・プラットと手を組んで制作された名盤であり、日本のハードロックシーンにおいても特別な位置を占めています。また、2026年には彼らが活動の拠点を英国に移してから40年という節目の年を迎えます。このような背景を持つ中で行われた今回のライブは、特別な意義を持っていました。
当日、東京ガーデンシアターには多くのファンが駆けつけ、熱気が会場を包み込みました。開演の時刻が来ると、神秘的なシンセサウンドが響き渡り、緞帳が上がるとドラマティックなコーラスが観客を興奮させます。ステージに登場したのは、山本恭司(ギター)、人見元基(ボーカル)、厚見玲衣(キーボード)というバンドの精鋭たち。さらに、サポートメンバーとして、永井敏己(ベース)と、山本恭司の息子である山本真央樹(ドラム)が参加しました。彼は『Ⅲ』のリリース時にはまだ生まれていなかった世代であり、この新しい風がバンドの雰囲気に新たなエッセンスを加えていました。
ライブは、セカンドアルバム『CYCLONE』の「Hurricane」でスタート。ドラムのキメによってトリガーされるギターリフが印象的で、人見の力強い歌声が会場のエネルギーを一変させました。バンド全体が一体となって、疾走感に満ちた演奏が披露され、観客は一瞬で“ハリケーン”の渦に巻き込まれました。
続いて披露されたのは「Doncha Wanna Cum」。この楽曲では、オルガンのフレーズが導くヘヴィなリズムが会場を揺らし、山本のギターが催眠的な旋律で聴衆を魅了しました。音楽の持つグルーヴ感が重厚に伝わり、観客はその魅力に惹きつけられます。
「Night By Night」は、力強いシンコペーションがバンド全体を推進し、観客の期待をさらに高めました。ハモンドオルガンとギターリフが絡み合い、VOW WOWのメロディセンスが見事に表現されます。特に、厚見玲衣が作曲した「Born To Die」では、重厚でありつつも幻想的な展開が織り交ぜられ、ドラマティックな世界が広がりました。主役となるのはもちろん山本恭司のギターソロで、彼はさまざまな技法を用いながら豊かな音響世界を作り出しました。
休憩を挟んだ後の第二部では、BOW WOWからVOW WOWへの名義変更後、最初のアルバムから「Break Down」を演奏。重くキャッチーなギターリフが立ち上がり、人見の力強いボーカルが曲に鋭く切り込んでいきます。
観客の熱気は最後まで続き、特に「Nightless City」では観客一体となった熱唱が会場を包み込み、圧倒的なパフォーマンスが繰り広げられました。最後に演奏された「Shot In The Dark」では、観客のボルテージが一気に最高潮に達します。「III」の40周年を祝うにふさわしい、見事なステージが展開されました。
VOW WOWは過去の栄光を振り返るのではなく、依然として強靭に鳴り響く“現在進行形の伝説”として、観客に感動を与えることに成功しました。このライブの模様は、WOWOWで放送されるため、ぜひ見逃さないでください。名盤『Ⅲ』の40周年を祝う熱狂の瞬間をともに体験しましょう。
文:黒田隆憲
写真:森島興一・由美