エミリア=ロマーニャ州の文化、2025年大阪万博での魅力発信
2025年、国際的イベントの舞台となる大阪万博において、イタリアのエミリア=ロマーニャ州がその豊かな文化とクリエイティブ産業を誇示します。この州は音楽、映画、舞踊、演劇の多彩な表現を通じて、地域の活力を世界に発信することを目指しています。幅広いジャンルのアーティストたちが集まり、地域の情熱を表現する絶好の機会です。
特に注目を浴びているのが、ボローニャ・シネテーカ財団や国立舞踊財団アテルバレッティ、そして地元オーケストラに加えて、日本との架け橋となる漫画作品の展示です。エミリア=ロマーニャ州知事のミケーレ・デ・パスカーレ氏は、「文化・クリエイティブ産業は地域の心臓部であり、コミュニティをつなぐ重要な言語だ」と述べ、投資の重要性を強調しました。
伝統舞踊と音楽の融合
大阪万博では、特にイタリアの大衆舞踏音楽「リッショ」が成功を収めました。リッショはエミリア・ロマーニャにルーツを持つ舞踏音楽で、オーケストラ・カーサデイによって披露されました。このオーケストラは1928年から続く伝統を持ち、多様なアーティストとのコラボレーションを通じてその魅力を広めています。
さらに、国立振付センターのアテルバレッティがモンテヴェルディとタッソをテーマにした現代舞踊「タンカードとクロリンダの戦い」を上演。二人のダンサーが愛と戦争の葛藤を表現することで、観客を引き込みました。
若手アーティストの活躍
地域の若手音楽家たちが集まり、トスカニーニ・アカデミーNEXTが幅広いジャンルを演奏。また、「エミリア=ロマーニャ:音のモザイク」というコンサートでは、ヴェルディやニーノ・ロータの作品が一堂に会し、参加者に感動を与えました。特に注目すべきは、若手の力を引き出すプロジェクトで、エミリア=ロマーニャ州が発足したルイジ・ケルビーニ・ユースオーケストラやフィルハーモニー管弦楽団の活躍です。
文化の架け橋 - 漫画とクリエイティブ産業
エミリア=ロマーニャ州は映画やダンスだけでなく、日本と結びつく漫画の文化も発展させています。万博の中で行われた「マンガ家イタリア流」セミナーでは、ボローニャに住む日本人マンガ家とイタリア人漫画家が登壇し、文化的交流の重要性を説きました。また、地域の文化が多くの就業機会を生んでいることも大きな魅力です。
より活気ある未来へ
2023年には、エミリア=ロマーニャ州の文化・クリエイティブ産業が56億ユーロという付加価値を生み出し、地域経済の3.8%を占めるまでになりました。映画、ダンス、音楽の各分野でライブパフォーマンスが盛況で、観客数も530万人を超えるなど、前例のない回復を見せています。そして、エミリア=ロマーニャ州が大阪万博を通じて世界に文化を届ける機会を得ることで、さらなる国際的な対話が期待されています。
エミリア=ロマーニャ州の文化・クリエイティブ産業の多様性と革新について、今後も目を離せません。伝統を引き継ぎつつ、新たな表現を追求するオーケストラやダンスグループの活躍は、今後の展開に大きな期待を寄せています。大阪万博での彼らのパフォーマンスこそが、地域のアイデンティティを語るのにふさわしい証明となるでしょう。