Barbourがアジアの文化を巡る新しい挑戦
英国のライフスタイルブランド、Barbour(バブアー)が、アジアの文化と深く結びついた新しいビデオシリーズを発表しました。このシリーズは「THIS IS HERITAGE」というテーマのもと、日本、中国、韓国の伝統工芸に携わる職人たちの視点から“進化する伝統”を描き出しています。
タータンとアジア文化の架け橋
1894年に創立されたBarbourは、スコットランド・エアシャー地方をベースにした独自の「Barbour Tartan」を生み出し、長い間、同ブランドのジャケットの裏地として用いられてきました。このタータンは、自然と人、そして職人の技が絶妙に調和している象徴的なデザインです。Barbourは、その長い歴史の中で、現代のライフスタイルに合ったスタイルを提供し続けてきました。
今回のビデオシリーズは、タータンの伝統をアジアの文化を通して再解釈する試みです。日本の盆栽アーティスト小島鉄平氏、中国の現代茶人Evan Zheng氏、韓国の料理研究家オースティン・カン氏がそれぞれの専門分野を通じて、いかに「生き続ける伝統」を表現しているかを紹介します。
小島鉄平氏と盆栽の新しい形
小島氏は、「TRADMAN'S BONSAI」を主宰し、盆栽を「生きるアート」として再定義しています。彼は传统的な技術を尊重しつつも、現代的な展示方法を採用し、若い世代に新たな盆栽の価値を伝えています。小島氏は「文化や伝統は受け継ぐものでありながら、進化し続ける必要がある」と語り、Barbourのタータンも同様に、根を大事にしながらも時代に合わせて成長する文化的な根源であると強調します。
文化の継承と進化
また、中国のEvan Zheng氏は、現在のライフスタイルに合わせた茶文化の再解釈を試みています。彼の姿勢からは、伝統を守りながらも、現代の感覚を取り入れることがどれほど重要であるかが伺えます。韓国では、料理研究家オースティン・カン氏が、伝統的な素材を活用しつつ、新しい感性を持ち込むことで、料理を通じた文化の継承を行っています。
未来へ紡ぐヘリテージ
このビデオシリーズは、アジアの職人たちが見せる伝統の進化を鏡のように映し出し、ヘリテージがどのように生き続けるのかを考察させます。従来の価値観だけでなく、未来に向けての柔軟な発想も欠かせないと、Barbourは訴えています。タータンが顕示するように、伝統は過去のものではなく、今も生き、未来へと連なっていくものです。
Barbourの歴史
1894年、ジョン・バブアーが英国北東部の港町サウスシールズでブランドを立ち上げ、北海の厳しい環境で働く港湾労働者のための防水性に優れたアウターウェアを提供してきたのが始まりです。5代にわたって受け継がれたBarbourは、今やファッション性を兼ね備えたライフスタイルブランドとして世界中で愛される存在です。130年を迎える今年、Barbourはサステナビリティへの取り組みとして、不要になったワックスジャケットを回収するアップサイクルプログラムも導入しています。
Barbourが提案する「未来へ紡ぐヘリテージ」を通じて、私たちも伝統の意味とその進化を再認識することが求められているのかもしれません。