医療的ケア児と家族のための特別な映画会が仙台で開催
2023年8月18日、仙台にて「医ケア児おやこ映画会」が開催されます。主催は東京都千代田区に本社を構える認定NPO法人フローレンスの仙台支社です。この映画会は、医療的なケアや障害を持つお子さんとその家族を対象とし、映画館を貸し切って行われます。参加費は無料で、地域のサポートによって無事に実施されるこのイベントは、医療的ケア児とその家族の笑顔を育む素晴らしい機会です。
この映画会は、家族で映画館に行きたいという声に応える形で始まり、今回で3回目を迎えます。映画館を貸し切ることで、参加する家族は周囲を気にすることなく、それぞれのペースで映画鑑賞を楽しむことができます。上映作品として選ばれたのは、今夏の話題作『星つなぎのエリオ』。家族揃っての素敵なひとときを過ごすことができるでしょう。
参加する家族のニーズに応えた企画背景
フローレンス仙台支社は、保育園の運営や訪問支援を行いながら、地域で医療的ケアや障害を持つ子どもたちの支援に努めています。その活動の中で、多くの家族から「一緒に楽しめる機会が少ない」との声が寄せられました。医療的ケアが必要なお子さんとの外出は、家庭に多くの負担とストレスを与えています。特に、映画館のような公共の場では、医療機器の音やお子さんの予測できない反応が心配となり、参加をためらうご家族が多いのが現状です。
このような背景から、フローレンス仙台支社は映画館を貸し切る「医ケア児おやこ映画会」を企画しました。この取り組みは、ご家族にとって安心して映画を鑑賞できる場を提供し、気軽に映画館を訪れることが日常的な選択肢となる社会を目指しています。
映画会の特長
この映画会の大きな特長は、家族が抱える不安を軽減し、安心して映画を楽しめる環境を整えている点です。
- - バギーのまま参加可能: 映画館を貸し切ることで、医療的ケアや急な体調変化にも柔軟に対応できます。また、上映中は一定の明るさを保ち、子どもたちが怖がらないよう配慮されています。入退場も自由なので、それぞれのペースで映画を楽しむことができます。
- - 地域連携での取り組み: 本イベントは地域の病院や福祉団体、行政機関などと連携して実施されており、地元の学生ボランティアが参加者の案内や運営をサポートします。地域全体で支え合う形が特徴で、昨年からの取り組みをさらに進化させて開催しています。
“まざらいんキャンペーン”の一環として
今回の映画会は、フローレンス仙台支社が始めた「#医ケア児もいっしょに まざらいんキャンペーン」の一環です。「まざらいん」は仙台弁で「一緒にやろう」という意味を持ち、医療的ケアが必要なお子さんとその家族が地域社会で孤立せず自分らしく過ごせることを目指しています。
キャンペーンでは映画会以外にも、きょうだい児を含む交流イベントや医療的ケア児向けガイドブックの制作など、多岐にわたる活動を展開しています。また、デジタル相談支援「医ケア児おやこよりそいチャット」により、これまでに100組以上のご家族とつながり、必要な情報や支援を提供しています。
社会へのメッセージ
医療的ケア児やそのご家族が「その子らしく」いられる社会、そしてその子を地域全体で育てることができる社会を実現するためには、さらなる認知とサポートが必要です。フローレンスは、今後も様々な活動を続け、多くの仲間と共に「新しいあたりまえ」の実現を目指していきます。
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