富士フイルム、革新的なゼロヘリウムMRI技術を発表
富士フイルム株式会社が、企業広告シリーズ「世界は、ひとつずつ変えることができる。」の新しいTVCMを3月20日から全国で放映すると発表しました。本CMは「ゼロヘリウムMRI技術」篇で、富士フイルムが開発した液体ヘリウムをまったく使用しない超電導MRI技術を紹介しています。
医療の要、MRIシステムとは
MRI(磁気共鳴画像法)システムは、強力な磁石と電磁波を使って体内の臓器の状態を詳細に画像化する診断装置です。特に超電導型MRIシステムは、高度な診断を可能にするため、磁石を極低温に冷却する必要があります。この時、従来は多量の液体ヘリウムが冷媒として使われます。しかし、ヘリウムは資源が限られており、世界的に供給が難しくなっています。
ゼロヘリウム超電導MRI技術の誕生
新たに登場したゼロヘリウムMRI技術は、液体ヘリウムを一切利用せずに、磁石を-269℃の極低温に冷却する技術を採用しています。これにより、通常の超電導型MRIシステムが抱えていたいくつかの課題を解決します。特に、ヘリウムの消費を大幅に抑えることができ、設置性の向上や早期復旧が可能になるのです。
富士フイルムの医療分野への貢献
富士フイルムは、1936年から医療用レントゲンフィルムを販売し、以来X線診断装置や内視鏡システム、超音波診断装置など、数多くの医療機器を提供しています。この新しいゼロヘリウムMRI技術によって、医療現場のニーズにさらに応えることを目指します。
蘇る貴重な資源、ヘリウム
MF(超電導型MRI)が通常必要とする液体ヘリウムの量は、お風呂何杯分にも及びます。実は、ヘリウムは大気中にわずかしか含まれておらず、天然ガス採掘時の副産物としてしか得られない、限られた資源です。需給バランスが崩れ、ヘリウム不足は慢性的な問題になっています。
CMに込められたメッセージ
新しいTVCMでは、「Q Department」の音楽と、「THE BOOM」のボーカリストとして知られる宮沢和史さんがナレーションを担当します。このCMは、特に聴覚に障がいを持つ方々のために「字幕付きCM」としても放送されることが特徴です。
富士フイルムの未来
富士フイルムは、医療現場のニーズに応じて進化を続けながら、これからも人々の健康維持に寄与していく意向です。ゼロヘリウム技術は、地球にある限られた資源を有効活用する革新的な一歩となります。
この新しい「ゼロヘリウムMRI技術篇」のTVCMは、医療分野における富士フイルムの挑戦を示す良い機会であり、視聴者に深い印象を与えることでしょう。
さらなる情報
富士フイルム公式サイトから関連情報やCM動画をご覧いただけます。
この新技術が、医療分野でどのように活用されていくのか、今後も目が離せません。