インクルーシブ映画上映会の実現に向けての挑戦
特定非営利活動法人AYAは、病気や障がいのある子どもたちとその家族が楽しめる「インクルーシブ映画上映会」を全国47都道府県で開催するためのクラウドファンディングを2025年11月14日より開始することを発表しました。目標金額は100万円で、期間は11月14日から12月26日までの約1ヶ月間。今回のクラウドファンディングでは、未開催の徳島県、島根県、沖縄県での上映会を開催するための費用が集められます。
クラウドファンディングの背景
日本には、20人に1人の子どもが病気や障がいを抱えています。そのため、こうした子どもたちとその家族は、映画館に行くことをためらわざるを得ない状況にあります。実際の声としては、「病状が悪化するのではないか」、「周りに迷惑をかけるのではないか」といった心配があります。NPO法人AYAは、2023年4月から、「インクルーシブ映画上映会」を全国展開してきました。参加者には医療従事者が同行し、環境を配慮した上映会を実施しています。例えば、照明は明るめ、音量は小さめに調整されています。「声を出しても大丈夫」や「じっとしていなくても問題ない」といった安心感があるため、多くのファミリーが参加しています。
これまでの実績としては、44都道府県で83回の上映会を実施し、14,173名の参加者が映画の楽しさを味わいました。「初めて映画館に行けた!」という喜びの感想が寄せられる中、残すところあと3県で242人を超える子どもたちが新たな映画体験を求めています。
資金の使途と上映会の実施
今回のクラウドファンディングに必要な資金は、映画上映会の実施費用として約30万から50万が見込まれています。これには、医療従事者の帯同費用、会場のレンタル費用、事務的な準備費用、移動経費が含まれます。この資金が集まることにより、ついに全国の47都道府県でインクルーシブ映画上映会を実現し、2027年には「AYAインクルーシブ映画Day」を全国同時開催することが目標です。
参加者の声
参加者からの感想も多く寄せられています。千葉県の30代女性は「子どもたちと映画を観ることは、母である私の長年の夢でした。一度でも行けたことが、家族にとってあたたかい思い出になりました」と語り、福島県の40代女性は「発達障がいのある息子と一緒に映画を観ることができたのは、親にとっても嬉しいことでした」と感謝の気持ちを述べました。また、茨城県の30代女性も「初めて映画館で子供と一緒に映画を観ることができ、素晴らしい体験になりました」とのことでした。
このように、多様な声が集まり、上映会の意義が広がる中で、クラウドファンディングの成功に向けた応援が必要です。中川代表は、3県のサポートをお願いする気持ちを込め、「皆で支えて、このプロジェクトを成功させたいです」と発言しました。
NPO法人AYAについて
NPO法人AYAは、神奈川県横浜市に拠点を構えています。設立の背景には、代表の幼なじみであるあやこさんの難病闘病も影響しています。その想いを受け継ぎ、病気や障がいのある子どもたちとその家族にスポーツや文化、芸術体験を提供することをミッションとしています。医療従事者がイベントに帯同し、安心安全な環境での開催を徹底しています。
今後も医療的ケアを必要とする子どもたちに向けたインクルーシブな取り組みを強化し、社会的な格差を無くしていくことが期待されています。これからの活動に注目が集まっています。