銀座英國屋、カムバックパス制度で未来を切り拓く
銀座英國屋は、2022年8月にアルムナイ(退職者)が5年以内に再雇用されることを可能にする「カムバックパス制度」を導入しました。これは、社員が家庭やキャリアの都合で離職した後でも、再度その経験と情熱を活かして働ける道を開く制度です。導入から3年が経ち、現在までに復帰した社員は1名。しかし、それ以前から築かれていた“カムバック文化”がこの制度に活かされています。
社員の復帰がもたらす新たな知見
実は、カムバックパス制度導入以前にも、少なくとも5名の退職社員が銀座英國屋に戻ってきました。そのうちの一人はフィッティング専任技術者として活躍後、定年を迎えるまでの期間再雇用されました。このような復職を可能にしたのは、「辞めた社員は敵ではなく、信頼できる仲間」として再び迎え入れる企業姿勢です。
カムバックパス制度の内容
この制度の特徴は、単なる再雇用ではないことです。復帰する社員が“働きがい”を感じられるよう、現場のスタッフや管理職が一体となってサポートします。全ての復帰者に対して、待遇は退職時と同等以上が保証されます。
適用対象者
その対象としては、服務規程を遵守し、良好な人間関係を保つ者、さらに自己完結が可能な社員が求められます。復帰の際には、定年未満で健康状態が良好であり、社会的な信頼を保持していることが必要です。
「働きがい」を育む文化
銀座英國屋では、「働きがい」を「信頼関係を通じて自己成長を実感できる状態」と定義しています。ここには4つの要素があります。
1.
成長の実感: 社員は、自身の成長を実感できる機会を得て、目標設定も自由に行えます。失敗に対する評価ダウンを恐れずに挑戦ができる環境を整えています。
2.
チームワーク: 組織の一体感を高めるため、部署間の協力体制を強化しています。社員同士が支え合い、共に目標を達成する文化が根付いています。
3.
公平感: 評価や報酬が公平と感じられることが重要であり、社員を尊重した納得性の高い評価制度を導入しています。
4.
誇り: 他者貢献や社会貢献を通じて、社員が自社の仕事に誇りを持つことを重視しています。
展望と未来の展開
今後も「カムバックパス制度」を通じて社内コミュニティの活性化や、キャリア支援体制の強化を図る予定です。希望者には事前に情報を提供し、離職後も銀座英國屋とつながりを感じる仕組みを構築します。
銀座英國屋の伝統と革新
銀座英國屋は1940年に創業し、80年以上にわたり「信頼を得られる装い」としてフルオーダースーツを提供し続けています。信頼されるスタイリストやフィッティング専任技術者が在籍し、若手の育成も進められています。社員が自信を持って接客し、品質へのこだわりを大切にしながら、時代を超えたエレガンスを提供しています。
このように、銀座英國屋の取り組みは単なる衣服の提供にとどまらず、社員一人ひとりの成長や働きがいの向上に寄与する企業文化を育んでいます。