クリエーションの未来を探る
ファッションアイディアが溢れる中、東京の渋谷にあるShibuya Sakura Stageで開催された「KAI Hat & Head-piece Competition 2025」最優秀賞授賞式が注目を集めました。このイベントでは、ファッションデザイナーの丸山敬太氏、ファッションジャーナリストの向千鶴氏、またHat&Head-pieceデザイナーの日爪ノブキ氏によるトークショーが実施され、越境的な視野が拓くクリエーションの可能性が語られました。
トークショーは、向氏の受賞作品のクオリティに対する賛辞からスタート。その後、丸山氏は作品の多様性に触れ、帽子のデザインが持つ自由な表現力について熱く語りました。日爪氏は、このコンペティションを通じて得られる自己発見の機会や、新しい才能が生まれることへの期待を語り、参加者に奨励の言葉を送りました。
パリ研修の意義
最優秀賞者にはパリへの研修旅行が設けられており、向氏はその魅力を称賛しました。日爪氏は、パリという街が持つ独特の空気が新たな創造的インスピレーションを呼び起こすと語り、丸山氏も自身の初めてのパリ訪問の感動的な記憶を共有しました。彼は、「パリに行く度にワクワクする」と語り、この文化的背景がファッションに与える影響について言及しました。
越境というテーマ
続いて、トークは越境というテーマに移行しました。日爪氏は、洋服デザイナーの夢から帽子デザイナーへの転身の経緯を話しつつ、運命的な出来事こそが越境を可能にすると述べました。丸山氏も、ファッションの本質は境界のないものであるべきだと強調し、デザイナーとしての役割について考察しました。彼は、新しい挑戦を通じて自己をリニューアルする重要性についても触れました。
「O(オー)」の開発
トークショーでは、日爪氏が貝印と共同開発した縫製ハサミ「O(オー)」についても語られ、デザインと道具の関係が強調されました。「O(オー)」は、さまざまな素材に対応可能な6丁セットであり、デザイナーの視点で作られた重要なアイテムです。日爪氏は、制作過程での苦労やこだわりを語り、丸山氏も自らのハサミへの愛着を告白しました。
クリエイティビティとビジネス
最後に彼らはクリエイティビティをビジネスに生かす重要性について意見を交わしました。日爪氏は、帽子業界が抱える課題について述べ、他者にはできないことを追求することの重要性を説きました。一方、丸山氏は自己のクリエイションを軸にしながら、お客様の期待に応えるためのデザインを追求する姿勢を示しました。
来年へのメッセージ
トークショーの締めくくりとして、日爪氏と丸山氏から未来へのメッセージが発せられました。日爪氏は、参加者に対しチャンスを逃さず応募することを促し、丸山氏は成長の道具としてコンペティションの意義を強調しました。明るい未来への希望が込められたこのトークショーは、ファッション界に新しい風を吹き込むものでした。