新卒社員の退職代行利用増加の実態
新卒社員が退職代行サービスを利用するケースが急増していることが、最近のニュースで明らかになりました。特に『ABEMA的ニュースショー』が取り上げた内容によると、退職代行サービスを提供している『モームリ』の代表・谷本慎二さんが伝えた情報によると、4月の新年度のスタートに合わせて、新卒社員からの依頼が次々と届いているとのことです。特に、4月3日には20件、4月4日には13件もの依頼があったという。
このような背景には、入社前に提示された情報と実際の職場の実態との間に大きなギャップが存在することが原因として挙げられています。谷本代表はその理由について、『入社前と後で実態や契約内容が全く違った』という声が多数寄せられていると語りました。
実際の退職理由
モームリに寄せられた具体的な退職理由にも驚かされます。例えば、入社後に『休日出勤の必要がある』と告げられる一方で、入社前にはその説明がなかった事例や、求人票と実際の給与が異なり、最低賃金を下回っていたケースも含まれます。また、業務内容についても、『わからないなら自分で考えろ』と冷たく対応され、反対にその後『分からないなら聞け』というような矛盾した指導を受けたとの声も多く寄せられているそうです。
この現象に対する社会の反応も興味深いものです。新年度を迎える街頭での新入社員へのインタビューでは、『4日で辞めるのはもったいない』という意見や、職場環境がよほど厳しい場合に退職代行を使うこともあり得るという声がありました。また、昔の就職氷河期を経験した世代からは、すぐに退職することに対する懸念が表明されています。「新卒カードを捨てるのはもったいない」と感じる意見が多く、新卒の重要性が再認識されているようです。
企業に向けたメッセージ
MCを務める千原ジュニアさんもコメントを寄せ、『飛ぼうと思ったら飛べるのに、退職代行サービスを利用するのは、ある意味『ちゃんとしている』と感じた』とその意義を評価しました。このコメントからも分かるように、退職代行サービスが必要とされる背景には、企業が抱える問題点も隠されていると言えそうです。
同時に、谷本代表によると、モームリは3万件の退職データを保有しているため、大手企業から『離職率低下の講演会を開いてほしい』という依頼も相次いでいるとのことです。企業にとっても、この状況は無視できない課題であり、しっかりとした対策が求められています。
今後の展望
このような新卒社員からの退職代行の急増は、今後も続く可能性が高いと考えられます。企業が求める人材と、新卒社員が期待する職場環境との病的なズレを解消するためには、情報の透明化や職場環境の改善が不可欠です。社会全体でこの問題に正面から向き合うことが、よりよい職場づくりにつながるでしょう。
『ABEMA的ニュースショー』では、こうした社会の動きについて更に掘り下げた内容が放送されていますので、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。