すべてがAIで生み出された革新的な短篇映画
2025年7月3日から13日まで、韓国の富川市で開催される第29回プチョン国際ファンタスティック映画祭(BIFAN)において、串田壮史監督の新作『ラストドリーム』が、特別に設けられた「Bucheon Choice: AI Films」部門でワールドプレミアを迎えることが決定しました。この部門は、AI製作の映像作品に特化した国際的なコンペティションであり、前回はフランスと韓国の作品が受賞した実績があります。
映画の概要
『ラストドリーム』は、全編にわたって生成AIが映像、セリフ、音楽などすべてを創り出した革新的な短篇映画で、約10分の上映時間で構成されています。この作品は、AI技術が映画表現にもたらす可能性を象徴するものであり、国際的な注目を集めています。
あらすじ
物語の中心には、地球が新たな世界大戦によって壊滅的な状況に陥り、最後の生き残りとなった宇宙飛行士が描かれています。彼は暗黒の宇宙空間で孤独な旅を経て、神秘的な岩と出会います。この岩との共鳴によって、彼は46億年の地球の歴史を巡る壮大な走馬灯を体験します。生と死、そして生命の意味について問いかけるこの作品は、現代人が直面する「絶滅」というテーマを深く掘り下げています。
監督の思い
串田監督は、死にゆく魂が走馬灯を通じて人生の意義を見出すという普遍的な概念を提唱します。彼は、地球が、何を最も長く生きている存在としてどのようにその“死”を捉えるのかを問いかけます。この問いは、長い歴史を経てきた人間にとっても重要な問題であり、現代に生きる我々に深く響くテーマとなっています。
串田壮史監督について
串田壮史は1982年生まれ、大阪出身の新鋭監督です。代表作には、長編デビュー作となる『写真の女』や『マイマザーズアイズ』があります。これらの作品は、国際映画祭で評価されるだけでなく、複数の賞を受賞し彼の名を広めました。『ラストドリーム』は、「PYRAMID AI」という新たに設立されたAI専用の制作チームによる初のプロジェクトであり、AIとの協働による新たな映像表現を目指しています。
映画祭情報
第29回プチョン国際ファンタスティック映画祭は、アジア最大のジャンル映画祭として知られています。今年新設された「Bucheon Choice: AI Films」部門は、その革新性からも大きな注目を集めており、世界中のクリエイターが参加する期待が高まっています。『ラストドリーム』は、この新たな舞台で、AIが生み出す可能性を広く証明するマイルストーンとなるでしょう。
公式情報
映画『ラストドリーム』は、英語及び日本語字幕で提供され、ピラミッドフィルムが製作・配給を担当しています。また、本作に関する最新情報は公式SNSやYouTubeチャンネルで随時発信される予定です。映画祭の公式サイトでも詳細な情報が発表されていますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。皆さんも、この新しい表現手法で描かれたSFの世界に触れてみませんか?