映画『クィア/QUEER』と原作小説の復刊
ダニエル・クレイグ主演、ルカ・グァダニーノ監督の映画『クィア/QUEER』が2025年5月9日に全国公開されます。この映画は、ウィリアム・S・バロウズの自伝的な名作小説『クィア』を原作としており、5月の映画公開に先駆け、河出書房新社から新たに小説版も刊行されます。原作の刊行日は2025年4月8日で、文庫版として208ページで税別1,100円での販売です。
原作小説『クィア』とは?
『クィア』は、ビートニク文学の巨匠であるウィリアム・S・バロウズが著した自伝的な小説で、彼の若い日の恋愛体験をベースにしています。本作は1950年代のアメリカを舞台に、決して容易ではない恋愛の苦悩やサブカルチャーの側面を描いています。バロウズは、自身の麻薬中毒者としての経験をもとに、恋と冒険をも絡めて物語を進めています。
本書は初め、出版社からの拒絶により長らく日の目を見ませんでしたが、1984年に発見され、翌年に出版されました。1988年には山形浩生氏と柳下毅一郎氏の訳によって日本語版が登場しましたが、新たに河出文庫版が改題され、2010年にアメリカで発表された「25周年記念版」を底本にして新たに訳されました。この新版は、最新の研究を反映し、バロウズの意図する形に近い形で復元されています。
映画『クィア/QUEER』の魅力
映画『クィア/QUEER』は、ダニエル・クレイグが切なさ溢れる大人のラブストーリーで主演を務めています。彼は、時代に逆行することが試練であった異端者たちの姿を見事に表現しており、視聴者に深い感動を与えることでしょう。ルカ・グァダニーノ監督は、映画『君の名前で僕を読んで』でも知られた才人であり、独特の映像美と繊細な描写を得意としています。
公開を前にして、映画はヴェネツィア国際映画祭に正式出品され、主演のダニエル・クレイグは第96回ナショナル・ボード・オブ・レビューで主演男優賞を受賞し、第82回ゴールデングローブ賞にもノミネートされるなど、多くの注目を集めています。
新たに日本語版『クィア』の登場へ
原作の復刊においては、1988年に発表された「おかま」という邦題を改題し、現代の言葉で表現し直されました。運命のいたずらともいえる長い道のりを経て、バロウズの作品は新たな形で再登場します。
柳下毅一郎氏は、訳者あとがきで「『クィア』はバロウズの実質的な長編第二作であり、特に読みやすい作品」と評しています。これからの映画と小説の両方の公開にぜひ注目してください。
まとめ
2025年の春、ダニエル・クレイグ主演の映画『クィア/QUEER』が迫ってきます。そして原作小説も新たに刊行され、文学と映像界での相乗効果が期待されます。ウィリアム・S・バロウズの名作を、最新の視点からぜひ楽しんでください。映画の公式サイトでも続報をチェックできます。心に残るストーリーを通じて、時代を超えた愛の形を感じてみませんか?