KADOKAWAが株式会社チップチューンを子会社化しアニメ制作体制を強化

株式会社KADOKAWAは、アニメ制作の技術をさらに強化するために、撮影やCGに特化した株式会社チップチューンを子会社にしました。この取り組みは、KADOKAWAの中期経営計画「グローバル・メディアミックス with Technology」に則ったものであり、特にアニメ事業の強化を目指しています。

「グローバル・メディアミックス with Technology」は、IP（Intellectual Property）の創出とその展開を基盤とした戦略であり、アニメ制作においても、多彩な作品を生み出していくための体制を整えていきます。チップチューンの撮影技術は、業界でも高く評価されており、数々の有名作品に携わってきた実績があります。

2012年に設立されたチップチューンは、特に撮影とCGに特化したアニメスタジオで、背景美術やペイントなども手がけており、アニメ制作の重要なプロセスである撮影において、業界のトップレベルのスタッフが揃っています。撮影とは、動画と背景、CGデータを合成し一つの映像を作り出す重要な工程であり、作品全体のクオリティに大きく影響を与える部分です。

チップチューンは、映画『ペンギン・ハイウェイ』やTVアニメ『幼女戦記』、『無職転生～異世界行ったら本気だす～』など、KADOKAWAが原作を手がけるアニメの撮影監督を務めるなど、多くのメジャータイトルに急成長しています。このたびKADOKAWAグループに加わることで、撮影技術の内製化と高品質な作品の創出がさらに加速すると考えられています。

既にKADOKAWAグループには6つの子会社が存在し、それぞれがアニメ制作の様々な役割を担っています。チップチューンが加わることで、制作力の向上のみならず、撮影技術の育成と継承も進んでいきます。これにより、さらなる高品質なアニメ作品の数々が期待されているのです。

チップチューンの代表取締役、奈良井由美氏は「私たちは作品作りの垣根を超え、より良いものを目指しています」と語っています。またKADOKAWAの執行役CAOである菊池剛氏も、「チップチューンをグループに迎えられたことは大変喜ばしい。よりハイクオリティなアニメーションの創出に尽力していく」とコメントしており、両者の思いが一致しています。

現在、チップチューンは93名のスタッフを擁しており、今後もその数は増える見込みです。このように、KADOKAWAグループはアニメ事業のさらなる拡大を図りつつ、継続的な成長を目指していく姿勢を示しています。これからのアニメ制作における新たな展開が期待されます。